BMW R 80の特徴
BMW R 80は、1980年から1987年にかけてドイツのベルリンでBMW Motorradによって製造されたオートバイです。
専門的なデュアルスポーツバイクであるBMW GSファミリーの最初のもので、ファミリー全体で50万台以上が生産されています。
また、オフロードでもオンロードでも同様に優れた性能を発揮できる世界初の「アドベンチャーバイク」として広く認知されています。
なお、当時排ガスや騒音の規制が厳しく、ボクサーエンジンが生き残ることは困難だとされていました。
それでもBMW MotorradはKシリーズという新しいエンジンを開発し、自社の命運をかけてRシリーズに取って代わろうと試みます。
ところが、ボクサーエンジンファンの熱い要望に応え、R80は唯一その継承モデルとして存続していくのです。
シリンダーヘッド下からエアクリーナーボックスへと続くパイプは、排気ガスをクリーンにするSLS(セカンダリーエアシステム)です。
これは、炭化水素を30%、一酸化炭素を40%削減する効果があります。
Kシリーズ開発から得た技術を活用し、排ガス特性や静粛性の向上、それに環境保護にも配慮していました。
R100RSと比較するとウィンドプロテクションの効果が高いカウルは存在しませんが、スタンダードなデザインと軽快な乗り心地が初心者からベテランまで幅広い層に受け入れられたと言えるでしょう。
また、モノレバーサスペンション(片持ちシングルスイングアーム)を搭載しているように、基本的な車体構成はR100RSと同じです。
市街地走行から長距離ツーリングまで対応する十分な性能を備えています。
BMW R80のエンジンについて
水平対向二気筒エンジンは、高速道路走行時など高回転域で直進安定性が高いです。
一般道を走行しているときも、エンジンの鼓動が存在感を示しています。
燃料コックは車体の両側に1つずつ設置されており、リザーブが2回利用できるので、長距離を走るライダーにとっては嬉しい機能です。
また、しっかりとした接続部分も気持ち良いです。
シンプルな設計のため、タペット調整やキャブレターの分解も、ガソリンタンクを外さずに整備が行えます。
バイク用バッテリーの交換は通常1万円前後と費用がかかりますが、R80では軽自動車用のバッテリーが使用でき、4千円~5千円とお得になります。
BMWのバイクに乗るライダーは、長年乗り続け、10万km以上走行することが多いです。
それは部品が丈夫で作りが丁寧であり、車体が整備しやすい構造でアフターパーツも豊富に揃っているというBMWの配慮があるからではないでしょうか。
R80に関しても、近年は部品の欠品が若干見られますが、ほとんどの純正部品は今でも手に入ります。
今後も安心して乗り続けられるバイクだと言えるでしょう。