ワークマンの水冷服は使える?

ワークマンの冷暖房ウェアと水冷服

厳しい状況でも心地よく仕事ができるアイテムを続々と展開しているワークマンは、パナソニックホールディングスの完全子会社であるシフトールと協力し、ペルチェ素子を用いた直接冷却方式の冷暖房ウェアを開発している最中です。
ペルチェ素子は、電極を交換することで冷やす機能と温める機能の両方を持つことが特徴です。

信頼性や安全性の観点から、日本のメーカーが作る半導体を使用しています。
アイスモードで最大約-10℃、ヒーターモードで最大約43℃まで対応し、2023年5月から1万台限定で試験販売が始まるとのことです。

冷却の仕組みとは

冷暖房ウェアとは別に、ワークマンでは新しい水冷服も用意しています。
サイクリングやランニングの世界で知られているハイドレーションシステムに似たデザインで、背中のタンクに水を入れる部分も共通です。
冷却水をホースで上半身全体に循環させる仕組みで、夏のレーシングドライバーが着用するクールスーツに似ています。

違いは、ベストの内側にホースが配置されていることと、バッテリーで動くポンプが搭載されている点です。
これはワイズゴッドジャパンの水冷ウェア「アイスマンベストPRO」をベースに保冷機能のためのアルミの厚さなどを見直し、ワークマン風のロゴやパッケージに変更したもので、ベストには冷暖房ウェアと同じWindCoreのブランド名が刻まれています。

タンクに150ml程度の水と凍らせたペットボトル(保冷剤等も可)を入れ、バッテリーをつないだら準備完了です。
ハイドレーションシステムと同様、水を背負うためある程度の重さがありますが、5,200mAhのバッテリーが左胸に配置されているため前後の重量バランスには不満はありません。
スイッチを押して電源を入れるとポンプが起動し、微かな振動が始まります。
30秒ほど経過すると、上半身全体がぐんぐん冷たくなる仕様です。
ホースが接触している箇所全体が冷えるため、体表温度を下げる効果は圧倒的です。

バイクでも使える水冷服

これなら、炎天下で風が通らないジャケットを着用していても、まったく問題なく涼しく感じるでしょう。
確かにヘルメットや腕など特定の部分では汗が出ますが、背中が冷えているだけで暑さの感じ方は段違いです。
最近では真夏に40℃近くになることもありますが、これでこれから訪れる厳しい暑さに対処できるのではないでしょうか。

ただし、凍ったペットボトルや氷が溶けてしまうと効果が低下します。
炎天下で走行すれば、すぐにぬるくなってしまうでしょう。
体温と同じ温度の水を循環させても水冷効果は得られません。
とはいえ、凍ったペットボトルや保冷剤はコンビニなどで簡単に補充できます。
加えて、溶けたペットボトルの水を飲むことで水分補給もできますから、真夏のツーリングにはぴったりではないでしょうか。