生産・販売ともに世界一のバイク王国はインド
ホンダといえば世界でも高く評価されているバイクメーカーで、海外市場においても広く事業を展開しています。
海外でも、バイクと聞けば多くの人がホンダをイメージするほど有名で、世界シェアも全体の約30%とトップレベルです。
そして、バイクの需要が高い地域といえば、東南アジアです。
東南アジアは急速な経済発展を遂げているとはいうものの、まだまだGDPは先進国に追いついていません。
このため、価格の高い自動車よりもバイクの方が需要が高いのです。
バイクの需要とGDPは密接な関係にあり、国民一人当たりのGDPが1,000ドルを超えると小型二輪が普及するといわれています。
そして国民一人当たりのGDPが3,000ドルに達すると、バイクから自動車へと需要が移行します。
そして現在、GDPが1,000ドルゾーンにある国の一つが、インドです。
インドは日本の約8.8倍の国土を有する大国で、人工は約13億8000千人です。
これに加えて、道路の整備が進み、都市部から農村部までバイクで走りやすい道路環境が実現しました。
これらの状況を背景に、バイクの需要世界1位となっているのです。
バイクでシェア世界一を誇るホンダも、インド市場は重要な商業圏と考えており、販売活動に注力しています。
現地に二輪車を製造・販売する法人「ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア」を設立し、堅調に業績を伸ばしてきました。
原付ではホンダが全体の5割のシェアを獲得
2021年にホンダがインドにて販売した二輪車は142万6,865台で、前年同月比で10.2%プラスと2桁台の伸びを示しました。
内訳を見ても、スクーターが46万4,744台と10.1%の増加、オートバイは91万323台と11.5%増加しています。
インド全体のメーカー別のシェアをみると、1位はヒーロー・モトコープ、2位はホンダ、3位がTVSモーターとなっています。
しかしホンダは、都市部における原付のシェアが高く、原付に限ればシェアはインド国内1位で全体の50%のシェアを誇ります。
二輪全体でインドシェア1位のヒーロー・モトコープはインドのメーカーで、もともとは自転車の大手メーカーでした。
1984年にホンダと合併して「ヒーロー・ホンダ」を設立し、二輪車市場に進出、国内最大手へと成長を遂げました。
現在は合弁会社ではなく、独立した国内メーカーとなっています。
ホンダがインド国内でもシェアを伸ばしているのは、世界のホンダというネームバリューに加え、ヒーローとの合弁関係によってインドの人々から親しまれていたことも理由だと考えられます。
また現地のユーザーの声をすくいあげ、開発・製造に反映させるなど、きめ細かな対応でも人気を高めています。
現在、インドシェア2位に甘んじているホンダですが、虎視眈々と1位の座を狙っています。
インドシェア1位の座を獲得する日が、すぐそこまでやって来ているのかもしれません。