物に対する補償について

対物賠償保険について

対物賠償保険は、バイクを運転していて、他の車やバイク、建物、商品など、他人の所有物を壊したときに支払われる保険です。
契約時に決めた保険金額を上限として、修理費用など損害賠償に必要な保険金が支払われます。

例えば運転ミスをして、お店のショーウィンドウに突っ込んで窓ガラスや商品などを破損した場合、ショーウィンドウの修理費や商品の損害を保険で賠償してくれます。
また、脇見運転で前にトラックが停車しているのに気付かず後ろから衝突して、トラックや積み荷に損害を与えた場合も対物賠償保険から損害分が支払われます。

対物賠償保険が支払われる条件とは?

基本的な補償範囲は、バイクの事故によって壊してしまったモノです。
相手の車やバイク、家や店舗などの建物、ガードレールや電柱、電車など公共物も保険の対象となります。
補償範囲外となるのは地震や台風、洪水など、天災による事故です。

また、保険契約者本人とその親、配偶者、子供が所有するモノを破損した場合も、保険金は支払われません。
本人以外がバイクを運転していた場合、運転者が本人の親、配偶者、子供であるときも保険の対象外となります。
言わずもがなですが、保険金詐欺などの目的でわざと事故を起こした場合も保険金は支払われません。

対物賠償保険に加入しないデメリット

自動車は別としても、バイクの場合は対物賠償保険に加入しなくてもいいのではないか?と思う方もいるかもしれません。
結論としては、バイクであっても対物賠償保険への加入をおすすめします。
なぜなら、バイク事故でモノを壊した場合、多額の損害賠償を請求されるケースがあるからです。

例えば、バイクで店舗に突っ込んでしまった場合、お店の修理費用だけでなく、修理中に休業した場合の収入減についても損害賠償をしなければいけません。
店舗修理費が200万円、15日間休業をした場合の損害賠償が90万円とすれば、290万円を支払わなければならいなのです。
そして自賠責保険は物損事故は対象外ですから、全額自己負担となるのです。

対物賠償保険に加入していなければ、290万円を自分の貯金や収入から支払う必要があります。
何百万円もの金額を支払うのは、大きな負担です。
しかも損害の内容によっては、何千万、何億円の損害賠償が請求されるケースもあるのです。

過去の事例では、トレーラーとの衝突事故に対し、大阪地裁1億1,798万円の支払い命令を出しています。
また東京地裁が下した判決では、パチンコ店に突っ込んだ事故に対して1億3,450万円の支払いが命じられました。

このような大金を請求されたら一生をかけて支払っていくしかありませんから、こんな事態にならないよう対物賠償保険に加入しましょう。
できれば補償金額が無制限の保険に入ることをおすすめします。