マットモーターサイクルズの歴史と特徴
イギリスを拠点とする新進のバイクメーカーであるマットモーターサイクルズは、レトロなスクランブラースタイルの125㏄と250㏄をラインナップしており、カスタムバイク風のデザインと手頃な価格が特徴です。
このメーカーは、カスタムビルダーで名高いペニー・トーマス氏が立ち上げたものです。
彼が手がけていた高級なビンテージカスタムバイクから最初のMUTT、Mongrelが生まれました。
MUTTやMongrelは「雑種犬」を意味し、様々なパーツを集めて作られました。
その後200台の125㏄を製造し、すべて手作りで組み立てられたため高価格になりましたが、大変な人気を博します。
その評判は海外にも広がり、すぐに国際的な販売網が築かれました。
2016年春に最初のモデルを発表し、その年の終わりにはイギリス国内でベストセラーブランドのトップ20に入っています。
その後2018年には250㏄の生産が始まり、2019年には日本でも販売が開始されました。
英国メーカー特有のデザインとハンドメイドの仕上げを施した高品質な製品により、独自の路線で世界市場を開拓していく戦略を取っています。
免許取得後の若者から、ダウンサイジングを考えるベテランライダー、さらにはセカンドバイクとしても利用されることが多く、需要の幅は広いと言えるでしょう。
マットモーターサイクルズを代表するモデル
マットモーターサイクルズの各モデルは、プラットフォームを共有しながらもカスタムバイクが好きなライダーに向けてシートやカラーを変更し、それぞれ独自の特徴を持たせています。
たとえばマットモーターサイクルズのなかで最も手ごろな価格の「Mongrel(モングレル)125」は、クロームメッキや派手な塗装は控えめで、サテンブラックとシルバーフィニッシュがシンプルなデザインの特徴となっています。
広く低いブラックハンドルとブラウンのダイヤモンドグリップ、そして細身のシートが乗り手にとって快適なポジションを提供しています。
また、モングレルには250ccのモデルも存在します。
チューブラーツインショックフレームに搭載された250ccの空冷単気筒エンジンは、125ccと比較して長いスイングアームと一緒にサイズアップされ、迫力あるサウンドが魅力です。
走行性能とスタイリッシュさを両立する設計が特徴のバイクで、街中では軽快な取り回しが可能であり、高速道路や幹線道路でも十分なパワーを発揮します。
2018年の夏に誕生したMUTTファミリーの新メンバーがHILTS(ヒルツ)125/250で、Mongrelと同じ骨格を持っています。
自然なアップライトポジションとなる仕様のハンドルのおかげで、交通の多い都市部での走行やワインディングロードでの運転が容易です。