インド進出を図るバイクメーカーが増加中
インドは世界で一番バイクを購入している国です。
バイク王国といえばタイやベトナムを思い浮かべる方も多いかもしれませんが、現在世界で最もバイクが売れているバイク王国はインドなのです。
何しろ国土が広大で人口は約13億8,000万人、2018年時点のバイクの年間販売台数は2000万台超です。
巨大な市場を抱えるため、世界中から注目されています。
ホンダを始め国内のバイクメーカーも現地法人を設立し、インド国内での製造・販売を進めてきました。
インドは日本に比べて物価も人件費も安いので、製造コストがかからないのが利点です。
このため、バイクも低価格のものが中心となっています。
ハイスペックな大型バイクはほとんどみられませんが、満足できるスペックでありながら価格が安いのがインド産バイクの魅力で、近年では日本でも人気が高まっています。
インドからの輸出バイクも増加中
ホンダは世界シェア第1位を誇る、バイク業界のレジェンドです。
このホンダがインドで生産して人気を呼んでいるモデルが、「ハイネスCB350」です。
空冷4ストローク単気筒のロード用エンジンのスポーツタイプで、2021年に日本でも「GB350」として発売され話題を呼びました。
スズキも、インドで生産しているロード用スポーツモデル「ジクサー150」を、日本で販売しています。
こちらは2014年にインド国内で発売され、ASEAN諸国や中南米にも輸出されています。
このほかヤマハがインドで手がけるFZ25も人気で、ネイキッドタイプのシャープなフォルムが魅力です。
日本メーカーだけでなく、インドのバイクメーカーも輸出に積極的です。
その中でも注目されているのが、インドを拠点としている世界最古のバイクメーカー、ロイヤルエンフィールドの「クラッシック350」です。
ロイヤルエンフィールドは元々はイギリスのバイクメーカーですが、インドに製造工場を設立していました。
ところがイギリス本国の本社が倒産したため、拠点を移し、現在ではインドのバイクメーカーとして事業展開を図っています。
「クラッシック350」は、イギリスのクラシックバイクのデザインを受け継ぐ、正統派デザインが特徴です。
レトロかつ気品あるたたずまいがインドでも大人気となり、300万台の売り上げを記録しました。
前述したホンダ「GB350」は、「クラッシック350」を意識した、ライバルモデルとなっています。
このほかにも、インドではシェナンバー1を誇る「ヒーロー・モトコープ」の、空冷単気筒バイク「スプレンダー」も人気です。
日本では発売されていないモノの、日本円に換算すると10万円程度と格安ですから、並行輸入車を探してみるのもいいかもしれません。
今後も益々発展が見込まれるインドのバイク市場に、目が離せません。